中国メディア・中国新聞社は1日、台湾で先日「国父(建国の父)」と呼ばれる孫文の像が台湾独立団体メンバーによって引き倒されたのに続き、2月28日には台南市の原住民市議らが鄭成功像の撤去を求めるデモを起こしたと報じた。

 記事は、原住民の台湾市議が28日、多くの原住民を引き連れて台南駅前広場にやって来て、広場にある鄭成功像の前で狼煙をあげるとともに市政府に対して「鄭成功像を撤去せよ」と声高に叫んだと伝えた。


 デモを先導した市議は「もし市が銅像を撤去しないのであれば、孫文像の事件が再現されるだろう」とし、銅像の引き倒しも辞さない構えであることを明らかにした。また、市政府に対して「鄭成功文化祭を、台湾文化祭に改めるべきだ」とも主張した。

 これに対して台湾文化局の担当者は「われわれは多元文化を尊重している、工務局や民族事務委員会と協議を行う」とコメントした。

 鄭成功は明朝政権が滅びて成立した満州族政権の清朝に抵抗すべく、台湾を拠点に活躍。1662年から20年続く台湾の鄭氏政権の礎を築いた。台湾では独自の政権を築いたことで英雄としてあがめられているが、漢民族である彼は先住民族にとっては「異民族の支配者」という側面を持っている。(編集担当:今関忠馬)


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