まずは台湾だ。震災発生後、台湾から多額の義援金や救援物資が送られたことは記憶に新しい。台湾からの暖かな支援に対して、日本のネット上では感謝のメッセージが絶えることがなかった。ここでは、震災発生から2カ月が経過した2011年5月に掲載された、日本と台湾の「絆」を感じさせるエピソードを紹介したい。
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青森県の小学校と交流のある台湾・宜蘭県の小学校が、児童1人1人が「日本のみなさんがんばってください」などと書いたメッセージカードを掲げた写真をブログに掲載した。担任は「1月に青森を訪問した際、温かいもてなしを受けて感動した。その時の彼らの笑顔が忘れられない。仲の良い隣国日本のために、子どもたちができることを考えた」とその思いを語った。
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この3年間、さまざまなイベントにおいて台湾から日本への支援と、それに対する日本からの感謝の気持ちが伝えられてきた。
なかでも印象的なのは2013年のワールド・ベースボール・クラシックでの一幕だ。日本で行われた日本―台湾戦は、台湾の支援にたいする日本のファンからの感謝のプラカードなどが多数掲げられる中で行われた。
中国大陸のネットユーザーからの励ましの声も数多く届いた。「愛国的論調」で知られ、反日感情の強い印象のある環球網のコメント欄には地震発生当日から「日本人のために祈っている」、「日本ならきっとがんばれる」、「災害に対して反日的な民族的情緒を持つべきでない」といったメッセージが数多く寄せられた。
日本を気遣う中国ネットユーザーの声の多くは、純粋な同情の気持ちによるものだろう。一方で、2008年の四川大地震時に日本が積極的に支援を行ったことに感謝し、「今度はわれわれの番だ」という思いを持った人もいたはずだ。これは、1999年の台湾中部地震や2009年の台風で日本の支援を受けた台湾でも同じだろう。
韓国のネットユーザーからも、震災直後から支援の手や声援メッセージが寄せられた。当時の記事を振り返ってみると、韓国のあるポータルサイトで、震災発生後の3月13日から3日間で約500万円の募金が集まったとの記述がある。
また、サイト上にはお見舞いのメッセージや、「休みを取って奉仕活動に行きたい」、「人類愛で日本を助けたい」とのコメントが並んだと伝えた。そのなかで印象的だったのは「今回のことを契機に、本当に近い隣国になれば」といったものだった。
中国と韓国とはその後、政治的な問題によってそれぞれとの関係が冷却化し、最近ではネット上で互いを罵倒するような発言が目立つのは残念だ。
当時見られた、助け合う気持ちと感謝の気持ちを、互いに忘れてしまってはいないだろうか? 相手を思いやり、快く支援の手を差し伸べられる関係だけは壊してはならない。
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