中国で下水油の流通が社会問題となっている。中国語では「地溝油」と呼ばれる下水油は、工場などの排水溝や下水溝に溜まった油をろ過・精製したもので、「食用油」として販売されているという。
下水油には発がん性物質が含まれており、大変危険だとされる。

 日本では現在、中国のように下水油の流通が社会問題になることはなく、中国メディアの経済参考網はこのほど「中国は廃油のリサイクルシステムが完備されている日本や欧米に学ぶべき」との記事を掲載した。

 記事は、日本や欧米などの先進国では、廃油の回収から再販までのシステムが完備されていると指摘。日本の一部自治体ではレストランなどから使用済みの食用油を回収し、リサイクルによってディーゼルエンジン用燃料を精製・販売していることを紹介したうえで、「中国はぜひとも先進国から学び、油のリサイクルシステムを導入すべき」と論じた。

 経済参考網の主張に対し、中国の簡易投稿サイト・微博では、「わが国のリサイクルは欧米よりもずっと優れている。基本的にお腹の中に入るんだから」、「わが国の下水油は成熟したリサイクルシステムがすでに出来上がっている。最後は食卓に並ぶのだから」など、「食の安全」が担保されていない中国社会に対して強烈な皮肉を込めたコメントが多く寄せられた。

 また、「わが国では腐敗したものが美食に変わって食卓に並ぶのだ。これは先進国でも真似できないことだ」などのコメントもあり、もはや自虐的なコメントを言わせたら中国人ネットユーザーの右に出る人はいないのではないだろうか。

 結局のところ「ゴミの分別もきちんとできないのに、海外に学べと? テレビのCMで盛んにゴミの分別を呼びかけているのに、それでもポイ捨てする国民性なんだよ」との指摘もあった。中国政府は下水油の問題を重視し、工場の摘発などの取り締まりを行っているものの、いまも下水油は流通していると言われている。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:123RF)


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