在日米軍は4月上旬、所属軍人の靖国神社訪問について「今は好ましくない」との見解を示した。オバマ大統領の訪日が迫っており、中韓を刺激することを避けるためとされている。そのため、米軍人20人以上の団体が靖国神社訪問を取り消した。米軍人は参拝や見学、自衛隊員との交流などさまざまな形で、靖国神社を訪問してきた。
共同通信によると、米軍人の靖国神社訪問自粛は8月16日になって分かったという。
中国メディアは、同自粛について、4月23日からのオバマ大統領の日韓歴訪との関係を強調。オバマ大統領は日韓の関係修復を目指していたが、「米国軍人が靖国神社を訪れたことが暴露され、米国は安倍首相の歴史認識を支持していると解釈され、状況が複雑になることを心配したのだろう」と評した。
さらに、「2001-06年に小泉純一郎首相が毎年、靖国神社を参拝し、中韓が反発した際にも、米軍は靖国神社訪問をやめなかった」などと紹介した。
中国の代表的ポータルサイト、新浪網(シンランワン)が設けている「新浪微博」には、米国を非難する書き込みが相次いだ。「真珠湾攻撃を忘れたのだな」、「米軍は恥知らずだ。人にやられておいて、それでも足を運ぶ」、「非人間的なやからが、非人間的なものに興味を持つ」、「真珠湾で死んだ米国軍人にしてみれば、屈辱だ」などの意見が多い。
ただし、「米国人の考え方は、われわれとは違うのだと思う。彼らが(靖国神社に)行ったからと言って、彼らが(戦争当時の)日本を認めたというわけでもない」、「(米国人が靖国神社を)参拝したがろうが、そうでなかろうが、われわれ中国人にとっては、つまらないこと。もう、毎日のように『オオカミが来た』と叫ぶのを見るのは嫌だ」など、靖国神社の問題に大きく反応することには意味がないとする人もいる。
また、「英雄は互いに惜しみあうものだ」と米軍人の靖国神社訪問に理解を示す書き込みもある。
さらに、「(第二次世界大戦で活躍した米海軍の)ニミッツ将軍は東郷平八郎に敬意を示していた。過去の日本軍人の指導者を尊敬していた。だから、靖国神社を(現在の米軍人)が参観するのは不思議ではない。文明国だからだ」と、歴史に対する自国人の姿勢を強く批判する意見も寄せられた。(編集担当:如月隼人)
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