90年ごろから導入された車両は、オレンジ色を基本にした「紅皮車」、青色が目立つ「藍皮車」などがある。空調完備、最高速度の向上、揺れの低減などの改良があり、まずは在来線で北京と上海を結んだ特急列車など、「花形路線」に用いられた。
また、高速鉄道は日本の東海道新幹線と同様に、白と青のツートンカラーが基本となる車両が多く用いられている。いわゆる「白皮車」だ。
中国では在来線においても、さまざまな改良が続けられている。新型列車の投入にともない、従来型の「緑皮車」は姿を消していった。北京鉄路局の場合、2012年7月1日をもって、一部国際列車とチベットのラサを結ぶ京蔵鉄道列車、大型連休時の臨時列車を除き、「緑皮車」を“引退”させた。
「緑皮車」は地方のローカル線の「普通列車」として使われる場合が多かったので、「緑皮車」と言えば「乗車券が最も安い列車」の“代名詞”にもなった。
一方で、列車の外観の「統一感」がなくなってしまったして、かつての渋い色合いの「緑皮車」を懐かしむ声もあった。
北京鉄路局は15日までに、同局に所属する高速鉄道車両以外の旅客列車の塗装を「緑色」に戻す具体的なスケジュールを決めた。
写真(CNSPHOTO提供)は2006年、北京南駅を午後10時50分に出発する邯鄲(河北省)行きの普通列車。旧式車両の「緑皮車」だ。同列車は北京南駅の旧駅舎からの始発便として最後の列車となった。北京南駅はその後建て替えられ、北京と上海を結ぶ京滬高速鉄路や北京と天津を結ぶ京津城際鉄道の始発駅になった。
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◆解説◆
北京鉄路局はかつて、中央政府・鉄道部に所属する行政部門として、管内の鉄道運行を担当していた。ただし、鉄道部の解体に伴い、北京鉄路局は鉄道建設や運行を行う企業、中国鉄路総公司の傘下企業になった。「鉄路局」という名称は残したが、行政部門ではない。
北京鉄路局以外に上海鉄路局、成都鉄路局など同様の鉄道総公司傘下企業があり、それぞれの担当地区を持っている。複数の鉄路局管内をまたがって運行する列車は「直通」、「直特」(直通特快)などと呼ばれる。
その場合も列車そのものは特定の鉄路局に所属している。長距離を運行する列車の場合、始点から終点まで24時間以上かかる場合も珍しくない。その場合、始点から車掌や食堂車職員などの交代要員も列車に乗り込む。列車の最後尾には休憩・仮眠用の寝台車が連結されている。
北京鉄路局管内には、北京鉄路局以外に所属する旅客列車も乗り入れている。そのため、同局が保有する高速鉄道以外の旅客列車がすべて「緑皮車」になっても、同局管区内を走る在来線列車のすべてが「緑皮車」になるとはかぎらない。(編集担当:如月隼人)
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