中国メディアの極目新聞は2日、上海ディズニーランドでカップルと家族連れの客が乱闘になった事件について、「子どもに手を上げることは絶対に許されない」との論評記事を掲載した。
乱闘が発生したのは5月31日午後6時ごろ、上海ディズニーランドの園内でカップルが写真を撮影していた際に、家族連れの3~4歳の女児が写り込んでしまったことから双方が口論となり、その後、つかみ合いのけんかになった。現場で撮影された映像には、カップルの女性が母親に抱かれた女児をたたくような様子も映っている。なお、当局の発表によると、つかみ合った男性2人はそれぞれ軽傷を負ったが、女児にけがはなかったという。
極目新聞の記事は、SNS上で「子どもに手を上げるなんて許せない」との声が上がっていることに言及した上で、「この一幕はまさにあぜんとさせられるものだった。原因は女児がカメラに写り込んでしまったという極めてささいなものだった。写真を撮る側はタイミングを待つか、あるいは丁寧に一声かけるだけで、簡単に解決できる問題だった。なぜそこで手を出し合う事態になったのか」と疑問を投げ掛けた。
そして、「外出の際には礼儀と理性を持つべきであり、トラブルが起きた際には冷静に話し合うことが良い旅行体験につながる。さもなければ問題を起こし、民事賠償や行政処分に直面する可能性もある」と言及。「ディズニーランドはあくまで遊園地であり、子どもがどこを走り回ろうとそれは自由であり、誰であっても横柄な態度を取り、自分中心の考えで他人に場所を譲るよう一方的に要求してはならない」と論じた。
一方で、背景について明らかになっていない部分もあり、「現時点では誰が正しくて誰が悪いのかは明確ではない」とも指摘。今年5月に飲食店の女性店主が酔っぱらった男に暴行を受けた後に反撃した事件について、当初は双方の責任が問われたものの後に女性店主の対応が「正当防衛だった」と判断されたケースを挙げ、「『法は不法に譲歩してはならない』という法治の精神を示したものだった」と評した。
その上で、「暴力でトラブルを解決しようとしても、人々の共感は得られず、問題の解決にもならない。だが、自分が不法な侵害を受けた場合には、当然ながら正当防衛の権利があり、さらなる被害を避けることができる」と強調。「事件の発端や具体的な状況はそれぞれ異なるが、『双方に同じだけ罰を与えて丸く収めよう』とするような形式的な対応は、すでに世間から受け入れられなくなっている」と言及した。
記事は、「いずれにせよ、未成年者に手を上げることは絶対に許されない。もし母親が倒れでもしたら重大な結果になりかねない」とし、「争いの際、自分が結果をコントロールできるという幻想を抱いてはならない。身体的な衝突が発生した際には『武徳(武道的な道徳)』が求められ、女性や子どもに手を上げる行為は世間からの厳しい非難を浴び、その結果に応じて法的責任を負うべきである」と述べた。(翻訳・編集/北田)
— 中国動画 (@RC00547555) June 2, 2025