最高気温は摂氏35.6度。暑い日だった。マンション住人の文さんは午後3時半ごろ。スイカを食べながらテレビを見ていた。目の前で「バン!」という音がした。爆発したのはテレビだった。濃い煙を噴きだした。
別の部屋に住む女性の陳さんは、孫娘と昼寝をしていた。暑い日なので扇風機を使っていた。その扇風機が突然、「パン!」という大きな音を出した。同時に黒煙を噴いた。
曾さんは、シャワーを浴びていた。使っていたのは電気式の湯沸かし器だ。シャワーから冷水が出はじめた。「おかしいな」と思ったが、シャワーを終える時だったので、それほど気にしなかった。客間に行った。妻はテレビを見ていたはずだった。曾さんが買ってきたばかりの品だ。
曾さんの妻が文句を言った。「あんた、なんてクズのテレビを買ったのよ! 使って何日もたたないのに、もう故障なんだから」。
マンション住民が調べたところ、少なくとも約50世帯で、パソコン、空調機、テレビなどが火を噴くなどで壊れたことが分かった。
通報を受けた株洲供電公司の運用検査部検査修理チームの易漢光チーム長によると、同マンションへの送電線や設備は旧式で、夏になり気温上昇のために電力負荷が大きくなると、問題が出やすい。さらに、電線のすぐ近くに木の枝が張り出していた。同日は風があったので、風に揺すられた木の枝が送電線に触れて動かし、電線2本がショートしたため、380ボルトの高圧電流が家庭向けの線に流れ込んだとみられるという。
易チーム長は「お出かけの際には、電気器具の電源を出来たら切っておいてください」、「(電圧の変動により)空調機や冷蔵庫のコンプレッサーは火を噴く場合があります。テレビも画面が損傷する場合があります」、「各家庭は、自宅の電力消費量を考え合わせた上で、電圧安定機を使用するのがよいでしょう」と述べた。
株洲市のマンションで集団発生した家電機器のトラブルで、死傷者の発生は伝えられていない。
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◆解説◆
中国では、老朽した電力設備を使い続けている地方も多い。そのため、電力使用量が大きくなる夏などには、さまざまな事故がよく発生する。
日本では、電力会社が供給する電力で、電圧や周波数などが極めて小さな誤差の範囲内に調整されている。世界的に見ても「もっとも品質の良い電力」を使える国と言ってよい。最近では白熱電球をLEDなどに取り換える動きが進んでいるが、白熱電球は電流を抵抗に通すことで電力を単純に熱に変換し、さらにその熱からエネルギーのごく一部を光として利用しているだけなので、せっかくの「超高品質」の電力を極めて“もったいない”使い方をしていると言える。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
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