中国メディア・中国日報は19日、経済が発展している日本ではスラム街(中国語で「貧民屈」)があまり意識されることのないとしたうえで、日本に存在するスラム街として大阪の釜ヶ崎(あいりん地区)の三角公園について紹介する写真記事を掲載した。

 記事は、三角公園には「日雇い肉体労働者の日本最大規模の集団が生活している」とし、その多くは「臨時の仕事や行政の救済を待つ中高年の独身者」と説明し、「生活上の保障が不足しているため日々の暮らしさえ困難である」と紹介。


 居住者の多くは日本の建設業最盛期における建設労働者で、世界的な経済危機の影響から働き口が激減し、路頭に迷う労働者が出現するようになったとし、「現在、スラムには左手にビール、右手にタバコを持つ孤独な老人しか残っていない」と伝えた。また、観光客は通常現地に行って遊んだり写真を撮ったりしないよう警告されるが「実際彼らは他人にとって無害であり、幸せに日々を過ごすお年寄りに過ぎないのだ」とも説明した。

 記事はさらに、釜ヶ崎には「依然として典型的な日本の色彩が残されている」と評価。段ボールで造られた部屋にいる男性が靴をきれいに並べていたり、毎日決まった時間に公衆浴場で汗を流したりしているとし、「落ちぶれてはいるものの、ここの住民からは日本社会の慎む心、秩序の正しさ、そして日本社会を構成する核となる価値観や生命力が垣間見えるのである」と伝えた。

 記事は、カメラに対して笑顔を見たり、犬と一緒にポーズを取ったり、公園でギターやアコーディオンに合わせて歌ったり踊ったり、ハトに餌をやったりといった住民たちの明るい表情とともに、ボロボロの服を着て路上で寝る住民の姿を収めた写真を併せて掲載し、現地の様子を紹介した。(編集担当:今関忠馬)(写真は中国日報の29日付報道の画面キャプチャ)


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