1台のトラックからは、主に路肩に魚がばらまかれた。人が詰まってきた。警察官が高速道路から退去するよう求め、声を張り上げ続けた。「ここは危険だ、早く高速道路から降りろ」、「あんたらに警告するぞ、1回目だ」、「警告するぞ、2回目だ」、「警告するぞ、3回目だ」とまくしたてた。
警察官の剣幕に圧倒されたのか、しぶしぶ立ち去る人が出始めた。それでもなお、しゃがみこんで魚をつかもうとする人がいる。持参したかごに魚を入れている人もいる。
警察官は魚を集める人に近づき、大声で「拾っちゃだめだ」と怒鳴った。「もう1匹だけ!」との声が聞こえてきた。警察官は「こんな目にあった人の魚を、あんたは拾うのか? 恥ずかしくないのか?」と怒鳴った。
さらに「ここで交通事故が発生したら、あんたらの方に全責任があるんだぞ。高速道路から早く下りろ。早く! 早く!」とまくし立てた。人々はようやく、現場を後にした。
長張高速道路の別の場所では、白菜を積んだトラックが横転した。路面には10トン近い白菜がばらまかれた。同事故で様相が多少違ったのは、運転手が白菜を「要らない。売り物にならない」と放棄したことだ。
そのためか、集まった人々はかなり悠然としていた。「運転手が要らないと言ったんだよ」、「どうせ掃除をするんだろ。(高速道路のそばにある)川に捨てるのかね」などと言う人もいる。楽しそうな表情だ。
マンゴーTVの女性キャスターは、事故車から散乱した荷物を奪い去る行為を「実に非文明的」と批判し、さらに「とても危険です。みなさん、安全には注意してくださいね」と締めくくった。
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◆解説◆
中国では、トラック事故の際などに周辺住民が集団で、散乱した荷物を奪い去る事件が多発しているとして問題になっている。もちろん、「略奪現象」が発生しない場合もあり、「略奪は起こらなかった」、「周辺住民が自主的に、荷物の拾い集めに協力した」などと大きく報道される。
中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)は9月末、同問題を取り上げて「2012年から現在までに、同様の事態が少なくとも18件発生した」と紹介した。
サーチナの調べだと、同様の事件はさらに多く発生している。(編集担当:如月隼人)(写真はマンゴーTVが配信した14日付動画ニュースキャプチャー)
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