香港メディアの蘋果日報(アップル・デーリー)は10日、中国大陸から来た旅行客が和歌山県内の温泉で、女性専用の露天風呂に「女装」して入って逮捕されたと伝えた。記事は、日本において中国人旅行客は倍増したが、「醜行も増加」、「民度が低い」などと評した。


 記事は冒頭部分で「日本は最近、中国人客の旅先としてホットスポットになった。しかし中国人の醜行もますます多くなった」と紹介。

 逮捕されたのは36歳の中国人男性で、6日から9日の予定で日本を訪れた。8日に和歌山県内の温泉で、ロングヘアーのかつらをつけ、バスタオルで体を巻いて女性専用の露天風呂に入った。口紅やネイルもつけていたという。

 男性はスマートフォンを使い「自撮り」を始めたので他の入浴客が怪しんで係員に通報した。男は駆けつけた警察官に逮捕された。警察が男のスマートフォンを確認したところ、他の入浴客が写る画像はなかった。男性は女友達と同温泉を訪れていたが、露天風呂には同行していなかったという。

 日本政府観光局によると、1-9月に訪日した中国人(大陸)客は前年比114.6%増の383万811人だ。同43.1%増で285万5800人の韓国人、30.7%増で244万1100人の台湾人と比べても「伸び率」、「絶対量」ともに圧倒的だ。

 アップル・デーリーは、日本旅行をする中国人が激増していると紹介した上で、「民度が低いことで、(日本人の対中国人)イメージを大幅に損ねている」と批判した。


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◆解説◆
 中国人は伝統的には、人前で裸体をさらすことを嫌悪する傾向が強かったとされる。特に、男女の別は厳しかった。そのため、日本に「混浴の風習」があると知ると、「格別の好奇心」をかきたてられる男性がいるのは事実だ。

 日本旅行や日本滞在の際の「混浴体験記」をブログなどで紹介する人もいる。ただし、「自分の淫猥な想像は間違っていた。人と人、人と自然が心を通わせる習慣だ」などと、日本文化として高く評価する内容が一般的だ。

 中国人に限らず、日本を訪れた外国人の犯罪や迷惑行為を容認できないのはもちろんであり、マナー違反も批判、場合によっては注意や警告をすべきだろうが、外国人客の増加は「日本の総合力の賜物」とも言える。魅力を感じなければ、旅先にしようとは思わないからだ。

 反日感情が根強い中国で、日本を訪れ「等身大の日本/日本人社会」を理解する人が増えることは、日本の長期的な利益に合致すると言える。もちろん、中国人以外の外国人客の増加も歓迎すべきだろう。しかし一方では、トラブルも増えかねないというジレンマも抱え込まざるをえないことになる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)


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