中国メディアの澎湃新聞網は3日、高速鉄道技術の第一人者に対する取材記事を掲載し、「衝突事故の発生後、私は高速鉄道のためにあえて声をあげることにした」と題する記事を掲載した。
記事は、中国高速鉄道の開業から輸出事業の推進に至るまでの軌跡について論じているが、なかでも日本との競争や衝突事故に焦点が当てられている。高速鉄道の衝突事故の直後、当局が事故車両を埋めたことについて、当時の鉄道部の関係者が「高架橋の下が泥沼で、救助を首尾よく行うためにしたこと。あなた方が信じるか信じないかは勝手だが、私はこの説明を信じる」とコメントしたことは、中国国内でも激しい批判にさらされた。
この点について記事は、高速鉄道技術に詳しい人物の見解として、「これ以前の鉄道事故でも車両を埋めるという処理をしており、この説明は間違っていない」と主張。さらに、鉄道部の関係者も「現場の人間からそのような報告を受けただけ」であり、実際に大きな車両を重機がよけるのは容易ではなく、高架橋の下は泥沼で救援は困難だったとし、車両を埋めたことについて肯定的な見方を示した。
当時は事故車両の内部には生存者がいるかも知れず、遺体や遺留品も残されている可能性があったにもかかわらず、それでも地中に埋めたことの是非については触れられていない。
あくまでも高架橋の上での救援作業を行ううえで、地上を重機が通れるよう車両を埋めたことは間違ったことではなかったとの見方を示している。中国では人命に対する扱い方が日本とこうまで違うのかと思い知らされる。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供/2011年7月23日に中国の浙江省温州市の甬台温線で発生した高速鉄道の衝突・脱線事故)
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