中国メディア・騰訊網は20日「どうして日本刀は弾丸を真っ二つにできるのか」とする記事を掲載した。記事は、日本刀には「機械兵器より強い」、「現在の冶金加工技術が及ばない製造レベル」といった各種の「神話」が付きまとうとしたうえで、その例として「銃で発射された弾丸を真っ二つにするうえ、刀身にはほとんど傷が残らない」という情報について検証を披露している。
記事は、この手のテストで使用されるのはみな拳銃であり、銃弾は外側を薄い銅板で包んだ鉛の弾であると説明。鉛は通常のナイフでも簡単に切れるほど硬度が低いため、日本刀で切れるのは当然であるとした。また、仮に硬質合金などで作った弾丸で同じテストを行えば、日本刀は完全に使い物にならなくなるとも論じた。
さらに、「現代の刃物に比べて、日本刀の材料加工技術が神がかっているということは決してない。科学的な工学技術レベルの制約のもと、長期的な実践から蓄積されてきた技術体系に過ぎないのだ」としたうえ、その技術は極めて粗雑なものであったと評価。製品の不合格率も極めて高く、数少ない合格品が「絶世の宝剣」と崇め奉られたとしている。
そして最後に、日本刀がこれほど誉めそやされる大きな理由は「現在において、伝統文化による工芸品であるから」と解説。日本では伝統的な刀剣が芸術品として商業化されているのであると説明した。
伝統的な工芸品は、現代の工業技術がないなかで、気が遠くなるほどの努力と研鑽によって、当時としては究極的に高められた技術や工夫が施されているところに価値の高さがあるのではないだろうか。
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