日本人の多くが愛してやまない「あんパン」。パン自体は日本伝統の食べ物ではないが、そこに小豆あんを入れてオリジナル化してしまうところに、日本人の外来文化に対する姿勢が如実に表れている。
この話だけでもイノベーションに興味のある中国人は十分感心しそうだが、あんとバターの美しきマリアージュにさらなる衝撃を受ける中国人もいるようだ。

 中国メディア・騰訊網は先日、日本の「国民的パン」と言えるあんパンを最初に作ったとされる木村屋について紹介する記事を掲載した。記事は、創始者の木村安兵衛氏が「酒まんじゅう」の手法を取り入れて作った独特の香りがする酒種パンの中に小豆あんを入れたパンを1874年に発明、たちまち人気となり明治天皇からの賞賛も受けたと紹介。また、パンの上に八重桜の塩漬けを乗せることで「あんの甘さを中和するとともに、和風テイストで満たされた特別なテイストになる」と説明した。

 そのうえで、木村屋には皇室御用達のあんパンさえも凌ぐ人気を誇るパンがあるとして「あんバター」パンを紹介。日本の小豆あんと西洋のバターを合わせただけで「聞いたところ、大したことなさそう」だが、これが「世の中を驚愕させるほどの出会いなのだ」と評した。そして、初めて「あんバター」を食べた際には「あっ! 中身がこんなに多い!」、「あっ! これはもう止まらない!」と2度叫んでしまったとしている。

 「和洋折衷」の見本のようなあんパン、そしてさらに西洋テイストを加えたあんバターパン。桜の花見を目当てに大勢の中国人観光客がやって来るであろう4月4日が「あんパンの日」となっている。これから、中国人観光客にとって日本の食文化を代表する新たな名物の1つになる可能性もありそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF) 


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