中国では2008年には四川大地震が発生したほか、10年には青海地震、13年には再び四川省で地震が発生。
このように同じく地震が多い国同士だが、日本と中国とでは防災への取り組みや災害救助の方法について相違が見られるという。香港メディアの鳳凰網はこのほど、地震災害に対する日本と中国の違いについて考察する記事を掲載した。
記事はまず日中の災害時における相似点として「民間の動き」を挙げ、日本でも中国でも災害発生時の火事場泥棒は少なく、互いに助け合う動きが見られると主張。一方、日中でもっとも違うのは「政府と企業の行動である」と指摘し、日本の首相は災害が発生しても、すぐに現場に駆けつけることはないと指摘した。
続けて、中国では首相がすぐに災害現場に入り、現地で指揮をとることが普通であると指摘し、四川大地震の際も当時の温家宝首相が現場に入って指揮を取り、1週間後に胡錦濤国家主席が現地入りして指揮をとったと紹介。日本のように首相が現地入りすることで「被災地に迷惑をかける」、あるいは「人気取り」といった批判は中国ではないことを指摘する一方、中国の場合はテレビに映るのは被災現場ではなく、指揮を取る指導者であることを指摘した。
また記事は、日本と中国では再建・復興の道のりも大きく異なることを指摘。日本は民主主義国家であるため、被災者であっても自宅の再建は自己資金で行う必要があることを指摘。保険でも災害で失った財産のすべてを補償してくれるわけではないため、命を失わなくても財産を失ってしまうのが日本だと論じた。
一方の中国は社会主義国家であるため、被災地の再建は3年を超えないと指摘し、それは「3年で再建できれば役人にとっての業績となるため」だと指摘。また、共産主義であるため、個人の家屋であってもすべて公費で建てられるとしたうえで、実際に四川大地震の被災地は日本人には想像もできないほどの再建を果たしていると紹介している。
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