メキシコ政府は2014年11月3日、メキシコ市とメキシコ中部ケレタロを結ぶ総距離210キロメートルの高速鉄道整備計画について、鉄道建設などを行う中国鉄建を中心とする企業連合(コンソーシアム)への発注を決めたと発表した。

 しかし14年11月8日になり、同発表を撤回。
理由として「高速鉄道建設プロジェクトに応札する企業が少なすぎたこと」や「発注決定までの時間が不十分であり、落札までの過程における合法性や透明性に対する疑惑が発生することを避けるため」と説明した。これに対し、中国企業側はメキシコ側に損害賠償を求めていたが、どうやら話し合いがまとまったようだ。

 中国メディアの財新網はこのほど、英メディアがメキシコ政府の関係者の話として「メキシコ政府は中国企業に約2000万ペソ(約810万元、約4676万円)を賠償金として支払う」と報じたことを紹介した。

 記事は、メキシコの高速鉄道計画について「中国高速鉄道の海外進出において、もっともブレークスルーが期待できたプロジェクトだった」と伝えつつ、中国のコンソーシアムが落札しながらも、計画の「無期限延期」となった経緯を紹介。一方で、インドネシア・ジャワ島やロシアの高速鉄道計画を受注したことを指摘し、メキシコの高速鉄道計画が無期限延期となったところで「中国高速鉄道の海外進出に影響はない」と主張した。

 ベネズエラの高速鉄道計画も中国が受注したが、その後工事は行われておらず、計画はほぼ頓挫した形となっている。メキシコでは中国受注が決まってすぐ、「発注決定までの時間が不十分だった」とし、計画の延期が決まった。なぜ中国がかかわったプロジェクトはこれほどまでにトラブルが多いのだろうか。疑問は尽きない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)


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