中国メディア・澎湃は9日、多くの中国人が「日本の外交は理解できない」と不満を抱く中で、「これを分かっていなければ真の理解は本当に難しい」という日本の行動様式および外交姿勢について論じた記事を掲載した。

 記事は、日本人の持つ文化に裏付けられた、日本独特の外交姿勢について「サクラ外交」、「メンツ外交」、「距離外交」、「問題外交」の4点から紹介している。
「サクラ外交」では、日本人は「理」より「情」を重んじるうえ、感情の中に存在する多くの悲しみを打ち消そうとすることなくかえって「美として味わおう」とすると説明。「中国人は満開を愛するが、日本では多くの場合花の散る様を詠嘆するのだ」とした。

 そして、日本人が「切腹」や「特攻」といった行動を厭わないのは「敗北の中に凛とした美しさを感じる」ためであり、敗北が決定的となってもその「負け様」を味わおうとするのであると解説した。

 「メンツ外交」については、日本人、特に日本の政治家はメンツを死んでも守ろうとすると主張。岸田文雄外相による今回の訪中も、成果が出ないにしても「外相としての存在感をアピール」したかったと論じた。また、「岸田外相が北京を離れや否や東南アジアに飛んで南シナ海について口出しした」ことについても、中国政府から「存在感のアピール」と指摘されたことを紹介している。

 「距離外交」では、日本人が人付き合いにおいて「距離感」を重んじる点について言及。対中関係でも「中華文明圏の引力にしばしば逆らい、中国と『つかず離れず』の距離感を保とうとしている」と説明。それがかつて王毅外相による「日中関係の改善を求めておきながら、中国に対して面倒を起こそうとする」という日本の指導者に対する「二重人格」批判につながるのであるとした。

 そして最後の「問題外交」については、中国のとの距離感を保つために歴史や東シナ海、台湾、南シナ海といったテーマを「問題」として煽り立てていると主張。このような「問題外交」は火遊びのようなものであり、扱い方を間違えれば両国関係に亀裂を生むことになるのであると論じた。

 地理的には近いが、海一つ隔てている日本と中国。
もともと同じ文化の源を持つといえど、広大な面積を持つ国と、海に囲まれた小さな島国では置かれた環境が全く違う。ともなれば、時代の経過によって文化や考え方、外交姿勢だって大きく異なってくるのは当然のことだ。まずは「近いから、相手も自分と同じような考え方を持っているだろう」という感覚を捨てなければ、相互理解の一歩は踏み出せない。

 遠慮を好まない中国人と、「親しい中にも礼儀あり」と考えてとにかく距離感を大事にする日本人。個人レベルの付き合いでも理解し合えるまでにかなりの時間がかかるケースがしばしばあるのだから、複雑な要素が絡み合った国レベルの付き合いで簡単に「仲良し」になることは非現実的なのである。新たな時代における両国の関係を、感情的になることなく冷静に模索していくほかない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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