日本で長距離列車や飛行機に乗ると、隣の席の人に話しかけられることはまずない。しかし、中国では結構な頻度で話しかけられ、プライベートな事まで聞かれることがある。
旅の思い出としては悪くはないのだが、それが何度も繰り返されるとなると、日本人としてはうんざりしてくる。しかし、彼らに腹を立ててはいけない。彼らは、同じ空間で一定の時間一緒にいる相手と楽しく過ごしたいだけなのだから。

 中国メディア・今日頭条は23日、日本人と中国人との人付き合いの違いについて解説する記事を掲載した。記事はまず、中国には「会えば三分の情」という言葉があり、それが中国人の人付き合いにおける特徴を見事に表していると説明。それは「会っただけで心が通じ合う」といった意味合いであり、列車や飛行機で見知らぬ人と一緒になっても、すぐにおしゃべりをするようになり、しかも「結婚しているのか」、「家はあるのか」などと突っ込んだ話題に触れさえすると紹介した。


 一方で、日本人は内向的であり、軽々しく心の扉を開くようなことはしないうえ、プライバシーに関わる話はたとえ友人や身内に対してでも自分からしないし、他人にも聞かないと説明。そして、会話する際には「いい天気ですね」、「お元気ですか」といったような当たり障りのないやり取りが繰り広げられるのだと解説した。

 そのうえで、この日本人の特性を理解せずに中国式の方法を用いて日本人と人付き合いをすれば、相手から冷たく扱われ、ひどい場合には「こちらの手の内を全て明かしても、相手の脈をつかむことができない」という状況に陥ることになると論じ、「日本人と商売をしたことのある中国人であれば、これは深く実感していることだろう」としている。

 記事はまた、日本人が自他ともに認める「グレー」な民族であり、白黒はっきりさせずに曖昧さを残す性格は、「ある意味で、われわれの儒学思想が招いた問題」だと説明。礼を重んじる思想の発展により、「本音の話が少なくなり、曖昧でグレーな言葉を用いるようになった」と論じている。一方で、日本人はこの「グレー」によって問題発生時に上手く立ち回ったり、責任を回避したりすることできると指摘。
これが、日本人が「グレー」を好み、曖昧さを貫く原動力になっているのだとした。

 「会えば三分の情」な中国人も、「グレー」を好む日本人も、その思考の原点にあるものは一緒。それは、他人とのコミュニケーションを円滑にし、より良い人間関係を作ろうとしていることである。ただ、場所や文化が変われば人付き合いの方法も変わってくる。日本で「中国式」を実践すれば「馴れ馴れしい」と思われ、中国で「日本式」を貫けば「あいつは何を考えているのか分からない、信用ならない」という印象を与え、いずれにせよ相手との距離は縮まらないのだ。普段の人付き合いの方法に拘泥せず、現地流の方法に速やかに適応できるかが、その土地で上手くやっていけるかどうかのカギになる。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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