中国メディア・今日頭条は19日、「クラブW杯の鹿島アントラーズを見て、広州恒大が中国サッカーをダメにしたと思った」とする文章を掲載した。文章は、試合を見終わった後で「心には羨望の2文字しかなかった。日本選手のプロ精神、能力、さらにはピッチのコンディションまで、みんな地道な基礎の積み重ねの結果であり、高額のスターを狂ったように集めることでは絶対になし得ないのだ」との感想を抱いたと紹介。「簡単に言えば、彼らはサッカーを『事業』とみている。しかしわれわれの多くにとっては『商売』。その結果は言うまでもない」としている。
また、「恐ろしいことに、鹿島は外国人助っ人を先発出場させていなかった」と指摘。日本人選手たちはビハインドの状況でもマドリードにひるむことなく相当な自信をもってボールをキープし、果敢にマッチアップしていったとし、「広州恒大がバイエルンとやった時のように、11人がペナルティエリアで縮こまっているようなことはなかった」と比較した。
そしてここから、中国サッカー、特にその象徴と言われる広州恒大に対する批判を大々的に展開する。「中国スーパーリーグは虚栄」、「恒大が金銭にモノを言わせるサッカーを始めたが、これで中国サッカーは破壊された」、「中国選手はそれから自信や理想を失った」などとし、本来若手育成にあてるべき資金を大物助っ人選手の獲得にばかりつぎ込むことに対する不満を露骨に示した。「中国はもっと地に足を着けて、ユースのレベルをしっかり高めることこそが正しい道なのだ」と論じている。
外国人選手を獲得すること自体は決して悪いことではない。獲得した選手からプロ意識やテクニックなどを吸収することができるからだ。特に、現在伸び悩んでいる中国人サッカー選手たちにはいい刺激になる。しかし、そればかりに頼っていては「チームや中国サッカーの将来を見据えてない、その場限りの投資」という色合いが強くなる。助っ人の力を借りつつ、現在のチームの戦力強化を図り、同時に若手の育成に投資するという、バランス感覚が必要だ。
文章は、「外国人選手だらけ」と理由でレアル・マドリードについても批判しており、「真の勝者は日本だ」としている。しかし、スペインと中国のクラブチームを同じ次元で論じるべきではない。スペイン人選手からなるスペイン代表はワールドカップの常連であり、2010年には優勝も果たしているのだから。自国選手のレベルが伴わないまま、自国のプロリーグをマネーゲームの場にしている状況が、問題なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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