世界の工場としての中国は年400億本ものボールペンを製造しているが、ペン先のボールは自前で生産することができないため、生産するための設備を輸入に頼っているのが現状だという。使いやすいペン先を自分たちだけでは製造できないという中国の製造業に対し、中国の李克強首相も深い関心と憂慮を示したことがある。


 中国メディアの今日頭条は25日付で、中国家電大手の関係者の話として、中国がペン先のボールを製造できない理由について説明している。

 2015年11月、中国中央電視台(CCTV)の「対話」という番組のなかで、中国文具メーカーの関係者がボールペンの製造工程について説明した際、「中国は優れた設備を生産できないため、設備はスイスからの輸入に頼っている」と紹介、中国国産の設備では使いやすいペン先のボールを製造できないため、ボールを製造するためにはスイスから設備を輸入する必要があると伝えた。

 同番組に出席していた中国家電大手の関係者は、中国文具メーカーの関係者のコメントに対して「1年後に、私がペン先のボールを製造できる設備をあなたに渡す」と大見得を切ったのだが、この約束通りに使いやすいボールペンに必須なボールを製造できる設備は開発できたのだろうか。

 2016年12月25日、中国家電大手の関係者は再びCCTVの「対話」に登場し、1年ぶりにこの約束に言及。結果的には「設備は開発できなかった」と説明し、それは使いやすいボールペンに必要不可欠な材料と技術がないからだと主張した。ボールペンのペン先は摩損し変形するとインク漏れが生じるが、この致命的な症状を回避するためには、摩損に強いだけでなく加工もしやすい材料が絶対に必要だと説明する一方、中国にはこの材料を作る技術がないのだと論じた。

 ボールペンのペン先にある球体の部品は小さいながらも特殊な技術が必要であり、その技術は日本とスイスの両国が独占しているという。中国国内の一部企業はスイス企業の生産設備を導入しているが、同設備では原材料に対する要求水準も厳格で、中国国内で生産される原材料では「使い物にならない」という。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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