中国メディア・今日頭条は4日、「中国ではどうしてしっかりしたOSが作れないのか」とする記事を掲載した。記事は、「今の世界で最も独占が著しい業界はどこか」と疑問を提起したうえで、中国工程院の倪光南氏が「スマート端末のOSである」と回答したことを紹介。同氏が「全世界の数十億台というスマート端末に対して、OSはiOS、アンドロイド、ウインドウズの3つのわずか3つしかない。このような独占状態は世界に二つとない」としたことを伝えた。
そして、中国で同じようなOSが出現しない理由について同氏が「簡単に言えば、全体の実力が米国よりも低い。そして、研究開発に力を入れている企業が少ないこと」と語ったとしたほか、中国の業界最大の問題として「めいめいが勝手に進めており、協力意識がとても乏しい点」を挙げたと説明。「中国でOSを作ろうとしている企業は10社余りある。これは明らかに多すぎだ」と指摘したことを伝えている。
さらに、中国が3大OSに匹敵するような新たなOSを開発できるかについては、衛生ナビゲーションシステム「北斗」を開発したようにパワーを集中させることができれば可能とし、能力的な問題ではなく「自身の優位性を発揮できないという自身の問題なのだ」と指摘したことを紹介した。
この記事に対して、中国のネットユーザーからは「それは真剣に取り組んだ人が然るべきリターンを得られず、大部分の不真面目な奴らに利益を持って行かれるからだ」、「協力意識が薄いというよりも、あまりにも自分勝手なのだ。国の主導でOS開発に成功しても個人や企業がすぐに特許の奪い合いや相互攻撃を始める。
モバイル端末OSの現状を打ち破るには、相当画期的なアイデアと操作性の実現が必要。SNSやメッセンジャーアプリでは他国のものを排除して独自のものを普及させてきた中国だが、これらのアプリを動かす基本部分であるOSに関してはなかなか「自前化」できないでいるようだ。なお、記事はアリババが開発した「YunOS」については言及していない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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