中国の路上を走っている乗用車のうち約45%は中国車だが、半分以上は日系車やドイツ系車などからなる合弁メーカーの自動車だ。中国車は中国国内でもあまり高い評価を得ておらず、市場の大半を合弁メーカーに奪われている状況にあり、また、中国国外においても大きなシェアを獲得できている市場はほとんど存在しない。


 しかし、中国メディアの今日頭条が14日付で掲載した記事は、パキスタンの路上を走行しているのはすべて中国車だと説明しており、「中国車でも圧倒的な支持を得ている市場があった」と伝えている。

 記事は、パキスタン国内を走る自動車の大部分は中国車であると紹介し、パキスタンの消費者の間で人気なのは長城汽車のピックアップトラックとHAVAL(ホーバー)SUVであると説明。これはパキスタン国内は地形が険しく、山道が多く、また道路が平坦でない場所が多いためであると論じた。

 さらにパキスタンを走る公共バスも大半が中国メーカーの宇通客車製であり、また農作業に使用されている車も東風汽車のピックアップトラックであると紹介、公共事業の現場でさえ中国車が使用されていると胸を張った。

 またパキスタン国内で中国車が圧倒的なシェアを獲得している理由として、中国とパキスタンの二国間関係を挙げ、「中国とパキスタンの関係は鉄のように強固」であると指摘。たとえば四川大地震の際に、パキスタンの輸送機はできるだけ多くの救援資材を積み込むために、わざわざすべての座席を取り外したという事例があると紹介し、中国車は友好関係を背景にパキスタンで圧倒的なシェアを獲得していることを紹介した。


 それでも記事は最後に、「中国の路上がパキスタンのようでないことは残念」という言葉で締めくくっている。つまりどこを見ても中国車であふれているパキスタンと異なり、中国国内は合弁メーカーに市場を奪われているという現実を指摘したわけだが、中国の路上を中国車で満たすには、やはり日系車やドイツ車を超えるクオリティを持つ車を製造するしかないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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