インドの高速鉄道に関して、日本は特に中国との激しい受注合戦の末、受注を決めた経緯がある。記事は、日本が「無理やり受注を勝ち取った」のは、中国への警戒という政治的側面でインドと日本の立場が一致したためであると主張した。それにしても、「きっと未完成に終わる」と悲観するのはなぜだろうか。
その1つの理由が「資金面」の問題だ。日本は建設費用9800億ルピーのうち約80%を円借款で供与し、しかも、利率0.1%、50年で償還という破格の条件で提供する。記事は、大幅な円安になった場合、日本は大きな損失になるだろうとした。
2つ目の理由は「土地と建設コスト」の問題だ。現行のインドの法律では土地を取得できるかは何とも言えない状況で、高架橋にすると建設コストがさらにかかるかもしれないという。また、完成後の乗車料金は高額となり、多くの貧困者を抱えるインドでは建設費の回収は難しいだろうと論じた。3つ目の理由は、「反対の声が少なくない」ことだ。
最後は「インドの目にあるのは日本だけではない」ことだ。インドは政治に独立性を求めており、中国のみならず米国や日本も警戒していると記事は主張。自身が最大限の利益を得るために、日本のみならず、フランスやドイツ、中国などとも引き続き接触を保つことが考えられるのだという。このプロジェクトの難しさはかねてから指摘されている。しかし、成功すれば、それだけ新幹線輸出への強力な足掛かりになるに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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