記事が感心しているのは、このねじを作っているのが大企業というわけではないにも関わらず、世界中の建築物や交通機関に採用されているということだ。中国では、企業は大きいほど良いというイメージがあるが、この企業は公式ホームページによると従業員は89人の中小企業である。
しかし、顧客は世界中にいて、営業距離で世界一を誇る中国の高速鉄道もハードロック工業のねじを採用しているという。記事は、ほかにも新幹線や明石海峡大橋、東京スカイツリー、英国や台湾などの高速鉄道、さらにはロケットの発射台にも採用されていると紹介。筆者が「目立たないところでチャンピオン」になっていると評したのも納得である。
では、このねじのどこがすごいのだろうか。記事は、くさびの原理を応用した原理は簡単なため、多くの模倣者が現れ、大抵2割か3割ほど安く販売しているが、模倣したねじはどうしても緩みがでてしまうのだという。それで、「20年間研究・開発を繰り返し、質を究極にまで高めた本家にはかなわない」と感心した。
このねじは、普通のねじの4倍から5倍と高額ではあるが、緩みを直す手間と人件費、そして、安全性を考慮に入れれば十分に元は取れるため、「中国の高速鉄道でもこのねじを採用して莫大な経費が削減されている」と尊敬の気持ちを込めながら紹介した。
緩まないねじで有名なのはハードロック工業ではあるが、日本ではほかにも異なる原理を利用して発明したL/Rネジや、ロックン・ボルトが知られている。日本人は頭が固いと言われがちだが、日本にはこうした多くの発明家がおり、常識を覆した発想で中国人のうらやむ「匠の精神」を見せてくれるのは何とも頼もしい限りである。
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