スタンリー・ホー氏は、ポルトガルの植民地で寂れた貿易港であったマカオを、東洋一のカジノ地域に発展させた。
1921年生まれのスタンレー氏は1962年から、2002年にマカオのカジノライセンスの対外開放が実施されるまで、約40年間にわたってマカオのカジノ運営権を独占した。カジノを中心に不動産開発やホテル、フェリー運営など幅広いビジネスを手がけ、一代で莫大な財産を築きあげた。また、中国の犯罪組織、ヤミ金融、北朝鮮、マネーロンダリングなどに関与しているとして、米上院委員会及びカジノ規制当局によって告発もされている。
マカオの中心地にあるリスボアホテル(葡京酒店)は1970年に開業し、伝説のカジノと呼ばれるほどマカオの発展、そして、スタンレー氏の経営手腕の象徴となった。スタンレー氏は、「リスボア」ブランドでマカオのカジノ20施設を傘下に置くSJMホールディングスの他、香港とマカオを結ぶフェリーの運航や不動産ビジネスを手掛けるシュンタックグループ(信徳集団)、カジノ運営の新濠国際発展(メルコ・インターナショナル)などを創業。これらは香港証券取引所に上場している。
スタンレー氏は4人の妻と17人の子供を持つことで知られ、SJMの後任のデイジー氏は第2夫人との間に生まれた次女。デイジー氏の実姉の何超瓊(パンジー・ホー)氏はシュンタックグループの主席であり、かつ、米ラスベガスで大規模カジノを経営するMGMリゾーツ傘下のMGMチャイナの大株主で共同会長。実弟の何猷龍(ローレンス・ホー)氏はメルコ・インターナショナルの主席を務めている。
もっとも同族経営であるだけに一族の勢力争いは激しい。2011年に壮絶な相続権争いが発生した。
【関連記事】
サッカーW杯ロシア大会の広告を制した中国、本大会で代表チームが活躍はいつ?
ファーウェイがフラッグシップスマホ「P20」をカスタマイズしてドコモから発売
世界初のライドシェア法案の誕生から2年、中国の関連7部門が違反摘発を強化
広東省と香港・マカオはスマホで出入りが簡単に! テンセントが「E証通」試験開始
中国政府が国内保険会社の健全性チェックを厳格化、急成長後の反動を警戒