中国は13億を超える人口を抱えるだけあって、日本人からすると「どこに行っても人がたくさんいる」ように感じられる。万里の長城のような中国国内の著名な観光地はまさに「人だらけ」で、ゆっくり観光するのは難しいほどだ。


 また、観光地でなくても、都市部では朝夕のラッシュ時になると大勢の人が一斉に動くため、道路は渋滞し、公共交通機関も大勢の乗客で混雑する。こうした混雑にストレスが溜まっていたのか、北京市で体重150キログラムの男性が地下鉄に乗るために列に並んでいたところ、高齢者から「こんなに太りやがって」などと罵られるという騒動が起き、中国ネット上で物議を醸している。

 中国メディアの報道によれば、この男性は地下鉄に乗ろうと車両の到着を待って列に並んでいたところ、混雑していたため後ろに並んでいた高齢者の足を不注意で踏んでしまった。男性は高齢者に対して謝ったようだが、足を踏まれた高齢者は男性の身体的特徴について罵り始め、「こんなに太っているくせに、地下鉄に乗ったら迷惑だ」、「太っているのだからタクシーを利用しろ」などと発言した。

 高齢者に罵られた男性は頭を垂れて謝り続けたが、高齢者はさらにヒートアップし、周りの乗客が止めるのも聞かずに男性が太っていることを罵り続けた。その結果、男性はついに泣いてしまい、涙を流しながらその場を立ち去ったという。

 中国では高齢者は「敬うべき存在」と考えられており、地下鉄などでも自発的に高齢者に席を譲る光景を見ることができる。だが、その一方で傍若無人な高齢者も少なくないようで、席を譲らない若者と高齢者が殴り合いのケンカをする事件もあったほどだ。

 今回の騒動は中国ネット上で物議を醸しており、「中国には『尊老愛幼』の伝統があるが、こんな老人は尊ぶに値しない」、「こんなことを言ったのはどこの老人だ? 人肉捜索すべきだ」といった声があがった。人肉捜索とは中国のネット上でたびたび行われる「個人情報を割り出したうえでの吊るし上げ」のことであり、多くの中国人ネットユーザーは傍若無人な高齢者に対して怒りを感じたようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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