環球網の記事によると、「中国では毎年3万話のドラマが制作される」という。3万話という数字は現実感がないように感じられるかもしれないが、中国には数百のテレビ局があり、すさまじい数のチャンネルで日々ドラマを放送している。放送のペースも日本とは異なり、同じドラマが連日2話ずつオンエアされるという密度の濃さだ。再放送も頻繁に行われ、ネットドラマも多数制作されるなど、「中毒」になるための環境が整っている。
2018年最大のヒット作は、清朝・乾隆帝の時代を舞台にした宮廷闘争ドラマ『延禧攻略』(全70話)だ。記事によるとこのドラマは、中国の動画サイトだけでも150億回再生されたという。ところが、先月27日に香港メディアの香港01が報じたところによると、中国共産党機関紙の「北京日報」が、宮廷闘争ドラマに描かれる華美な暮らしや謀略などについて、「社会主義の核心的な価値と相容れない」と批判する社説を掲載。その直後、『延禧攻略』などの放送が中止されたほか、新ドラマの放送も延期される事態となっている。歴史ものにまで圧力をかけられては、ドラマ中毒者たちが黙っていないのではないだろうか。
なお、『延禧攻略』は、日本でも今月18日からCSチャンネルで放送開始予定だ。日本語版のタイトルは『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』。
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