日本メディアの報道によると、日本相撲協会は先月26日、大相撲の力士の「ひげ」を禁止すると通告した。「見苦しくないように」との理由で、力士の身だしなみなどを定めた「力士規定」に明記されたという。また、伸びた爪や入れ墨も禁じられ、規定には盛り込まないが、ケガをした部位にするテーピングも目立たない肌の色に限るよう指導していくとされる。
中国メディアの捜狐は27日、「なぜ日本の相撲ではひげを伸ばしてはいけないのか?」と題する記事の中で、「かつて日本の相撲では、ひげをたくわえることで幸運になると思われていた」と指摘。確かに相撲界では、験(げん)を担ぐためにひげを伸ばす習わしがあったようだ。
時事通信のコラム「昭和のひげ、平成のひげ 若林哲治の土俵百景」によると、1973年夏場所、横綱昇進が懸かった大関輪島が験を担いでひげを伸ばし、横綱審議委員会から「見苦しい」と物言いをつけられたことがあったという。また最近でも、2018年の春場所で優勝した鶴竜が不精ひげを伸ばしていた。
とはいえ、ひげが正式に禁止される以前から、大多数の力士はひげを伸ばしていない。中国メディアの捜狐は、「長期的な訓練と飲食や休憩の習慣により、力士の性ホルモンが抑制され、ひげ剃りの必要がなくなるという説もある」と紹介しているが、やはり「身だしなみ」が一番の理由ではないだろうか。個人差はあれ、力士のひげを見苦しいと感じる人は確かにいるだろう。しかし、ひげを伸ばす験担ぎも一種の文化であり、はたして禁止を明文化する必要があったのか考えさせられる。
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