◆第30回NHKマイルC・G1(5月11日、東京競馬場・芝1600メートル)

 3歳マイル王決定戦、第30回NHKマイルC・G1は11日、東京競馬場で行われる。角田晨記者が担当する「考察」前哨戦編は、「負けて強し」だった馬に注目した。

 前走1着からNHKマイルCを制した馬は過去20年で6頭のみ。これは皐月賞の16頭、オークスの12頭、桜花賞の10頭、ダービーの8頭と同時期の3歳G1では一番低い数字で、狙うべきは“負けて強し”の馬になる。

 典型的なのがファルコンS2着のモンドデラモーレだ。中京競馬場においてかなり不利な大外18番ゲートからの発走で、3コーナーまでは中団馬群の一番外を追走。4コーナーで外を回されると致命傷になるコース形態のため、早めに加速し前の馬をパスしなくてはならない厳しい競馬となった。

 一方の1着馬ヤンキーバローズは、4コーナーまでインで脚をため直線で外に出す中京の勝ちパターンに乗ったレース運び。3着のリリーフィールドは逃げたことでロスなく回れており、4着のパンジャタワーも内→外とスムーズに進路を選べていた。上位馬で最もタフな走りを強いられたのがモンドデラモーレなのは間違いない。それでも勝ち馬が並んでくると再加速する勝負根性を見せ首差の惜敗。能力の高さは十分に見せてくれた。

 今回初めてコンビを組む戸崎は、過去5年の東京芝マイルで2位の35勝(1位はルメールの68勝)を挙げる舞台巧者。当レースは未勝利だが、ヴィクトリアマイル3勝、安田記念2勝とG1実績も申し分ない。

先月30日の1週前追い切りで感触を確かめた際には「NHKマイルCでも戦える」と力強い評価を与えていた。大舞台へ向け準備は万端だ。(角田 晨)

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