中国では高速鉄道が整備され、各都市が高速鉄道と結ばれたことで、中国人の移動は飛躍的に便利となった。中国ネット上では「中国高速鉄道は人びとの移動を便利にしただけでなく、軍事面でも兵士を大量に輸送することができるため非常に有益」だという論調が存在するが、果たしてこうした論調は事実なのだろうか。


 中国メディアの今日頭条は10日、中国高速鉄道の営業距離は2018年末までに2万9000キロメートルに達したことを強調し、「中国全土に張り巡らされた高速鉄道網は有事の際に兵士や物資を簡単に輸送できるため、軍事や国防面でも有益」という論調が存在することを紹介する一方、こうした論調に対して疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、中国高速鉄道の軍事面における存在意義について「戦術上、役に立つことはあるかもしれないが、戦略上ではさほど役に立たず、むしろ航空機による輸送に比べると高速鉄道の存在意義は限定的」であると主張。

 さらに、中国高速鉄道はあくまでも旅客の輸送を目的としており、車両からレール、信号、運行システムにいたるまですべてが「いかにスムーズに乗客を乗せ、運び、下ろすか」という観点で設計されていると指摘し、それゆえ高速鉄道で輸送できるのは軽装備の兵士だけであり、大型の武器などは輸送することができないと主張。

 それゆえ、高速鉄道で兵士を輸送するのは「機先を制したい場合」や「戦闘の勃発まで余裕があって、人と装備を別々に輸送できる」などの場面に限られるのではないかと主張したうえで、中国高速鉄道は軍事面で存在意義がないとは言わないが、やはり有事の際に兵士や装備を輸送する際には軍用機が使用され、高速鉄道の出番はあまりないのではないかと考察した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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