普段は何気なく通り過ぎているだろうが、私たちの足元にあるマンホールの「蓋」は中国人にとっては非常に特色あるデザインと高い機能性を有しているという。中国メディアの捜狐は25日、「日本のマンホールの蓋に高い芸術性が見られる」と伝え、「日本のマンホールは1つの文化である」と紹介する記事を掲載した。


 日本を訪れる中国人観光客は、日本のマンホール蓋がカラフルなだけではなく、地域によってデザインが異なることに気付くと、大きな驚きを感じるという。記事は、日本のマンホールには「動物や風景、歴史や都市の特色が描き出されている」と日本の特殊ぶりを指摘。続けて、日本のマンホールのデザインには6000を超える種類があり、マンホールの蓋を紹介する書籍まであるほど「日本のマンホールの蓋は文化として確立されている」と伝えた。

 続けてその歴史を紐解き、1950年代末ごろから東京や大阪などの都市部でオリジナルのマンホールの蓋が設計され始め、「梅雨の時期などは蓋の上が滑りやすくなり危険ということで、表面に凹凸を付けて外観の美しさも加えるようになった」と説明。そこから現在のようにデザイン性を持つようになったのは、「下水道の整備が進められる際、より多くの人に下水道をアピールするために、インパクトのあるデザインマンホールが作られるようになった」という経緯を伝えた。

 中国でマンホールの蓋といえば安全性に注意を払う人はいても、鉄の蓋以上の意味合いは持たないのが一般的だ。しかし、日本では地域ごとのデザインの他に、機能面では騒音防止や盗難防止の設計がされていたり、災害時の避難経路を示すサインが付けられたり、災害用トイレとしての役割を果たしたりと、実は人びとの生活を陰で支える機能が備わっている。こうした機能ゆえに記事が、「日本のマンホールの蓋は1つの文化であり、蓋マニアまで存在しているのも理解できる」と驚きを示すのも無理はないと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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