京都アニメーションで発生した放火殺人事件に対し、海外からも多くの寄付が寄せられるなど反響が広がっているが、中国でも衝撃的な事件として報じられた。中国メディアの今日頭条はこのほど、世界でも治安の良い国だと思れていた日本で生じた凶悪な事件について「日本の社会病を映し出している」と主張する記事を掲載した。


 記事は、中国でも事件当初の火災現場の様子が伝えられたが、徐々に被害の実態や犯人像など「事件の凶悪性」が明らかになるにつれ、「これまで中国人が抱いてきた日本の安全神話を打ち壊すものとなった」と指摘。また、日本で令和という新たな時代が始まったにも関わらず、凶悪事件が複数発生していることについて、「日本社会の深層に潜んでいる社会病を映し出しているのではないか」と独自の分析を展開した。

 続けて、日本人の治安に対する不安意識や殺人事件の発生率は欧米諸国と比較しても低く、「日本は先進国のなかでは最も安全な国の1つ」と認識されていると主張。しかし、これまでも凶悪な無差別殺人事件はなんども発生しており、「事件にはある種の類似した特徴が見られる」と指摘した。

 さらに記事は、日本で起きる凶悪事件には日本社会に潜む「無縁化、格差化、低欲望」という要素があると分析し、「家族や職場での人のつながりを築けなかったり、就職が難しく、経済的に厳しい状況に置かれたり、家に引きこもった状態が長く続く」などで、社会的なストレスが増加していることを映し出していると主張した。

 記事が主張する要素が犯罪に直接的につながっているとは言えないだろうが、中国人にとって「日本は世界で最も安全な国」という認識に陰りが差したのは確かだと言えるだろう。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
日本のサービスが中国人の「心を打つ」、あらゆる場所にある「気遣い」=中国
日本の宇宙開発技術力があれば、「弾道ミサイル開発も簡単だろう」
中国は高速鉄道の旅客機も作れるのに「なぜ国産カメラはないのだろう?」=中国
日本の輸出管理強化で「ひとたまりもなく征服された韓国」
中国の自動車愛好家は日本を羨むが「比較してみたら別に羨ましくない」