35人が死亡、33人が負傷したアニメ制作会社・京都アニメーション(京アニ)のスタジオ放火殺人事件のニュースは中国でも報道され、中国のアニメファンを大いに悲しませた。中国メディアの快資訊はこのほど、日本のアニメ制作会社で起こった火災が中国の若者を心から悲しませた理由を考察する記事を掲載した。


 京アニ第一スタジオに男が侵入し放火し、多数の被害者を出した事件は中国でも大きく報じられた。この事件について、日本人が悲しむのはごく当然のことだが、記事は「日本で起きた火災に対して多くの中国人が心を痛めていることに疑問を抱く中国人は少なくない」と紹介した。

 これに対して、日本で発生した放火事件は「中国に数多く存在するアニメファンからすれば、心をナイフで切り裂かれた」と同じくらいショッキングな出来事であったと指摘。1980年代生まれの「80後」、あるいは1990年代生まれの「90後」と呼ばれる世代の中国人たちの多くが、青春時代の多感な時期に日本のアニメを見て育ち、日本アニメから「人生の方向性」や「ポジティブで楽観的な考え方」を学んだと伝え、それゆえ京アニの放火事件に心を痛める中国人が多いのだと論じた。

 最後に記事は、京アニには世界中から義援金が集まっているという事実から、京アニの作品に共感している人が多くいることが分かると指摘し、アニメという1つの文化の前では国境や民族的な憎しみもなくなると伝え、今回の事件で経済的な損失よりも多くの貴い人材を失ってしまったことに多くの中国人アニメファンは「心を痛めている」と結んだ。

 中国には日本アニメのファンが数多く存在していて、アニメの舞台となった地を訪れる「聖地巡礼」をする中国人も多い。中国人ファンの心の支えともなっている日本のアニメだが、京アニで起こった放火事件は中国人にも大きなショックを与えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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