東京五輪マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が16日に行われ、2名の五輪代表が決まった。中国メディアの今日頭条は16日、このMGCから日本人マラソン選手の武士道精神を見たと感動を伝える記事を掲載した。


 今回のレースは、最後まで目が離せない激戦となった。優勝候補とみられていた「4強」の選手ではなく、5、6番手とみられていた中村匠吾選手が優勝を決めたからだ。記事の中国人筆者もこのレースに注目していたらしく、3つの「武士道精神」を見たと興奮を語っている。

 その1つ目は、「勇猛さ」だ。日本歴代2位の記録を持つ設楽悠太選手は、「前半から突っ込んでいく」との強気な言葉通り序盤から果敢な攻めを見せてくれた。37キロ過ぎで2位集団にのみ込まれ、まさかの14位に終わったものの、筆者はよほど感動したらしく「有言実行の、男の中の男」と絶賛した。


 2つ目は、「我慢強さ」だ。筆者は、「真のダークホース」となった中村選手について、恐らく多くの人と同じで「最初はあまり注目していなかった」という。しかし、最後のラストスパートをかけたところを見た時、自分の力を最後まで見せずに、最後に出してきた我慢強さを感じたと感動を伝えている。

 3つ目は、「悔しさ」を感じたそうだ。設楽選手と大迫傑選手が内定基準の2位以内に届かなかったのはもちろん残念だが、それ以上にほかの選手らの悔しさを感じたという。この2名は実力があるので東京五輪代表の3枠目に入る可能性が十分にあるが、それ以外の選手は東京五輪の戸は閉ざされ、4年後のチャンスもあるかどうかは分からないため、悔しかっただろうとしている。


 筆者はほかにも、神野大地選手や井上大仁選手らをはじめとしたすべての選手に敬意を表し、素晴らしいレースを見せてくれたことに感謝を示している。記事に対して、「日本のマラソンはすごい。中国ではいつになったらマラソンがあちこちで花開くのだろうか」と感心する人や、設楽選手の健闘を称え、「勇気を持って言えて、勇気を持って行動できる人は尊敬する」と称賛する人もいた。初の試みとなったMGCは非常に分かりやすい選考方法で大成功に終わっただけでなく、海を越えて多くの中国人に感動と勇気を与えたようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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