中国メディア・東方網は4日、日本の卓球界が近年中国出身のコーチを多数起用している理由について、中国の技術を学ぶためではなく、卓球や仕事に対する熱心さ、強い責任感を持っているからだったとする記事を掲載した。

 記事は、日本の卓球界がここ数年で長足の進歩を遂げ、男女いずれにおいても優れた若手選手が続々と出てくるようになったほか、日中の少年卓球大会ではほぼ互角の戦いが繰り広げられたと紹介。
その背景には、日本卓球協会が多くの中国出身コーチを招いて若手選手の指導に当たらせていることがあると伝えた。
 
 そして、日本選手を指導する中国出身コーチとして平野美宇選手の恩師である中澤鋭氏、劉潔氏、張成氏、張本智和選手の妹・美和選手を指導する孫雪氏、さらに長年にわたり水谷隼選手、丹羽孝希選手、石川佳純選手などの日本人選手を指導してきた元中国代表の邱建新氏の名前を挙げている。

 さらに、若手トップ選手の育成機関であるJOCエリートアカデミーにも多くの中国出身コーチが在籍しており、日本卓球界の選手層を厚くするうえで非常に大きな貢献を果たしている紹介した。

 一方で、日本卓球協会の強化本部長である宮崎義仁氏が、中国人の技術を学ぶために中国出身コーチを多く起用しているわけではなく、卓球や自らの任務に対する真剣さを高く評価して要るからこそコーチとして招聘しているとの認識を示したことを伝えた。

 また、「天才型のコーチはいらない。責任感があり、常に選手の傍らにいて選手たちを観察し、新たな変化や課題、体調、練習内容について分析できるコーチこそ、子どもたちを安心して任せられる」という、宮崎氏が抱く理想のコーチ論を紹介している。

 クラブチームによるマネーゲームが著しい一方で、ナショナルチームの実力がなかなか高まらない中国サッカー界は、中国国内のサポーターから「サッカーを愛しているのではなく、お金のためにやっている」と揶揄(やゆ)されることがある。一方で、日本にコーチとして招かれ日本人選手を熱心に指導している中国出身の卓球コーチたちは、卓球というスポーツを心から愛し、卓球のさらなる発展のために国の垣根を超えて選手の育成に情熱を注いでいるようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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