年内にも総延長距離が3万5000キロに達する見込みの中国高速鉄道。広大な国土のいたるところに高速鉄道網を張り巡らしているが、同じく国土の広い米国では鉄道はさほど重要なインフラではなく、近場の移動は車で遠距離の場合は飛行機を利用するのが一般的だ。
高速鉄道の輸出に積極的な中国が米国から受注を獲得したこともあるが、そのあと白紙になったこともある。

 高速鉄道は「中国人の誇り」であり、米国が高速鉄道を建設しないというのには驚くようだ。では、なぜ米国では高速鉄道が導入されないのだろうか。中国メディアの今日頭条は23日、米国全土をつなぐ鉄道「アムトラック」を紹介する記事を掲載した。どうりで米国人が高速鉄道を必要としないわけだと納得している。

 記事は、「アムトラック」の列車を見れば分かるとして写真を掲載、いかに豪華で居心地が良いかを紹介している。座席にはいくつかのグレードがあり、それぞれに受けられるサービスが異なっているようだ。

 記事は、「アムトラック」は普通の2等席でも、中国の高速鉄道の1等席や飛行機のファーストクラスよりも居心地が良いと紹介。ラウンジカーの座席は広々としていて、大きく取られた窓からは車窓を楽しむことができる。記事は、米国のこの鉄道は飛行機よりも値段が高いので、あまり利用客が多くなく、静かにゆったりとした旅の時間を楽しめると紹介した。

 また、寝台車を利用する場合は1日3食の食事付きのため、食堂車でおいしい食事を楽しめるとも紹介。グレードの高い座席にはトイレもシャワーも付いていて、広さも十分で居心地がよく、「移動する豪華なホテルのよう」だと紹介している。


 米国の鉄道は、ゆったりとした旅を楽しみたい人に向いていると言え、日本の豪華寝台列車に似ているようだ。筆者は「どうりで米国が高速鉄道を建設しようとしないわけだ」と納得しているが、どちらが優れているというよりも、鉄道の利用目的が異なっていると言えるだろう。自動車、飛行機、鉄道と、消費者の需要に合わせてすみ分けができている米国に、中国からの高速鉄道輸出を実現させるのは今のところ難しそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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