中国ではこれまで著作権などの知的財産権に対する遵守意識が極めて希薄で、海賊版は日本を始め多くの国の企業を悩ませてきた。日本は版権意識が高い国と言えるが、中国メディアの今日頭条は5日、日本の版権意識の高さは「異常なほど」と紹介する記事を掲載した。


 記事はまず、中国ではいかに版権意識が希薄かを指摘。安く手に入るならそれに越したことはないという考え方で、例えばマイクロソフトのオペレーションシステム「Windows98」が最新だったころ、ディスクの価格だけで手に入って当然と思っているため、Windows98は「5元(約75円)」で買えたと紹介している。たかがディスク1枚のために何百元も何千元もかける必要性を感じない中国人消費者は、「版権意識がとても低い」としているが、まさにそのとおりだろう。

 これに対して、日本には基本的に海賊版というものは存在せず、古くなったCDが安くなるだけだと違いを指摘している。では、日本では海賊版にどのように対抗してきたのだろうか。記事は、様々な新技術で海賊版を防いできたと紹介。
DRM(デジタル著作権管理)技術やROOT化、ブルーレイに関しては、コピー防止にAACS(エーエーシーエス)、ROM Mark、BD+という「三重の保護」をかけ、ソニーは「長年海賊版と戦ってきたので経験が豊富」だと努力のほどを伝えた。

 しかし、記事によると「技術だけでは対抗できない」という。どんな新技術を開発しても破られてきたからだ。そのため、技術に加えて「法の制定」も必要だとしている。日本はその点進んでいて、「だから海賊版が少ない」と感心している。

 さらには「教育のシステム」も重要だと指摘。
消費者が正規版を買おうという意識を持つように教育することが根本的な解決になるとしている。そのためには、生産者の労働に対してあるべき尊重を持たせれば、消費者が正規版を買うようになり、市場が失われるので海賊版は消え、生産者もより質の高い内容が作れる良い循環になると論じた。

 記事の指摘は正論だが、中国人ユーザーにとっては今でもまだ海賊版は魅力的であり、以前と比べれば版権意識を持つ人も増えてきてはいるものの、海賊版はあらゆる分野で見受けられる。国民全体が版権意識を持つようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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