高速鉄道の輸出を積極的に推進している中国だが、今度は欧州鉄道網に初めて地下鉄車両を輸出することになったという。中国中車傘下の中車唐山機車車両有限公司がポルトガルで地下鉄および設備メンテナンスプロジェクトを5610万ユーロ(約68億円)で落札した。


 中国メディアの今日頭条は19日、中国が受注を決めたこのプロジェクトを誇らしげに紹介する記事を掲載した。中国は高速鉄道強国になったのに続いて、「地下鉄強国」になれるかもしれないと自賛している。

 中国では、どんな分野でも大国ではなく「強国」を目指しているようだ。2020年までに営業距離を3万キロにすることを目標にしている高速鉄道について、記事は「12月初めに新たに3本も路線を開通させ、世界を震撼させた」と自賛している。

 そんな中国にとって、欧州に地下鉄車両を輸出するのはメンツの立つことなのだろう。今回、ポルトガルのポルト地下鉄会社が中車唐山から購入することにしたのは18本の地下鉄車両で、さらに5年間のメンテナンスサービスを提供することで合意したという。入札したのは、中車唐山のほかチェコとドイツの企業で、記事は「安さで2つの企業を打ち負かした」と鼻高々だ。ドイツの「シーメンスは我々のかつての教師であることを忘れてはいけない」と、中国がかつての師まで超えたと主張している。

 記事は、今回欧州に中国の車両が導入されることについて、「中国の鉄道製造技術はすでに欧州を超えている」と主張。コスト面でも技術でも、中国はすでに欧州を抜いており、建設の速さでも中国の鉄道は海外で注目されているという。中車唐山の最新車両は、新エネルギー地下鉄車両で世界をリードする存在になっていると伝えた。

 記事が主張するように、中国が「鉄道強国」になる日が近いのかどうかはわからないが、今回ポルト地下鉄会社にとっての決め手は「コスト削減」だったという。
高速鉄道の輸出でも中国は低コストを売りにしているが、そのために安全面がおろそかにはなってはいないことを願うばかりである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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