新型コロナウイルスの影響が世界中に広がっている。先日ついに感染者が確認されたものの、まだ2人の感染者しか出ていないインドネシアも、経済面では大きな影響を受けている。
そのためインドネシア政府は先週、10兆ルピア(約798億円)以上の景気刺激策を発表した。英国メディアによると、今週にも木材や木製品、家具などの輸出制限を緩和する政策も発表するという。貨物をいち早く中国へ輸出できるようにするためだ。

 インドネシアにとって中国は最大の貿易パートナーであるためだが、その一方、鳴り物入りで始まったインドネシアにおける高速鉄道計画は一時中止になったようだ。中国メディアの金十数据は4日、インドネシア高速鉄道の建設が一時中断したことを伝える記事を掲載した。

 記事は、インドネシアが東南アジア最大の経済体であり、インドネシア自身も2045年までに世界第5位の経済大国になることを目標にしているほど野心的であると紹介。しかし、貿易は中国に依存している面があり、中国との経済交流が新型コロナウイルスの影響で落ち込むと、インドネシアの2020年の経済成長率は19年の5.02%から4.7%に減少するとの見方があると記事は伝えた。そのため、インドネシアは対中輸出基準を急いで調整したのだという。

 しかし、インドネシアのメディアによると、イントネシア交通部はジャカルタ高速鉄道プロジェクトを3月2日から工事を14日間停止し、再び評価し直すことを発表したという。インドネシア側によると、建設による交通渋滞や工事現場の環境が作業員の健康に悪影響となっているなどの原因があるというが、記事は「高速鉄道建設は中国とインドネシアにとって重要な経済的意義があり、交通が発達していないため多くの問題を抱えているインドネシアにとっては重要なプロジェクトである」と指摘。突然の工事中断はインドネシアにとって大きな損失となるだろうと結んでいる。

 インドネシア高速鉄道は、日本と中国が受注獲得を争い、最終的に中国が受注していたが、ここに来て建設計画が頓挫する可能性が出てきたのかもしれない。
当初は19年に開業予定だったが、このままでは開業できるのかどうかもあやふやだと言わざるを得ないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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