中国で連日のように放送されている抗日ドラマのなかには、現実世界を超越した描写のもと、旧日本軍を弱く愚かな敵として描き、中国側を圧倒的に強い軍隊として描いている作品があり、こうしたドラマは「抗日神劇」と皮肉を込めて呼ばれている。

 中国でも抗日神劇については「歴史のわい曲であり、祖国のために戦った中国人に対する不敬でもある」という批判の声が数多く存在するが、中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「中国語が分かる日本人が抗日神劇を見たら、いったいどのような気持ちになるのだろうか」というタイトルのスレッドが立てられた。


 このスレッドには300を超えるネットユーザーが回答を寄せているが、最も賛同を得たコメントは日本人と親交があるという中国人ネットユーザーが寄せた意見であり、「抗日神劇で日本人が愚かな敵として描かれていることは、日本人だって腹立たしく思っている」というコメントだった。このユーザーは、抗日神劇は「歴史の改ざん」であり、また日本人を無意味に腹立たしい気持ちにさせるドラマでもあると批判し、「日本人も中国人も歴史を正しく客観的にとらえることができなくなってしまう」と批判した。

 また別の中国人ネットユーザーは「日本人が制作した抗日ドラマ」も存在すると紹介。抗日神劇とは異なりクオリティが高く、人を感動させる力があると称賛し、日本にも当時の抗日戦争を中国側の立場で描くことができる日本人がいるという点を指摘し、こうしたドラマに比べると「日本人は抗日神劇に対しては呆れる気持ちしか持てないのではないだろうか」というコメントもあった。このユーザーが紹介したドラマは「レッドクロスー女たちの赤紙ー」のことのようだ。

 そのほか、抗日神劇には旧日本兵が数多く登場するだけあって、日本語のセリフもたびたび登場するようだが、「日本人の知り合いは抗日神劇に出てくる日本語は何を言っているか分からないと言っていた」と紹介するコメントもあった。
描写が荒唐無稽なのだから、ドラマに出てくる日本語のセリフがシーンにそぐわないものだったり、日本語らしいだけで全く日本語でないことは全く珍しいことではないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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