機械を作るための機械ということで、工作機械は「機械の母」、「マザーマシン」とも呼ばれている。日本は1982年から2008年まで27年間、生産額世界一を保ってきたが、なぜ日本は工作機械の分野で強いのだろうか。
中国の電子産業ポータルサイト・電子発焼友網はこのほど、その理由について分析する記事を掲載した。

 記事によると、日本が工作機械分野で強いのには4つの理由があるという。その1つが、「自動車産業をはじめとする先進的な企業のニーズが工作機械業界全体のレベルを高めた」ことだ。顧客の意見によく耳を傾け、ニーズを満たすために設計開発したことでレベルが上がったと指摘した。

 2つ目は、「アフターサービスの質が高い」ことで、加工技術の要求水準が高く、複雑なことから機械の故障はよくあることだが、工作機械メーカーは直ちに対応すると伝え、アフターサービスに真摯に取り組むことで課題やトラブルからのフィードバックを得ることができ、さらに技術力が高まったとの見方を示した。

 3つ目は、「技術の継承」がうまくいっていることだと分析。工作機械の精度要求は極めて高く、長年の技術の蓄積が必要だが、この点で日本メーカーは景気が悪くなっても技術をきちんと継承してきたと指摘した。

 4つ目は、「NC技術を積極的に取り入れてきた」ことだと分析。第二次大戦後、日本の工作機械産業はほぼゼロからのスタートだったが、NC技術を取り入れることで、1970年代には世界で認められるようになり、今では約9割の工作機械にNC装置が付いていると伝えた。

 現在では、工作機械の生産額では中国が日本を超えて世界一となっているが、工作機械の品質や技術力においては日本が勝っているといえ、この点は多くの中国人も認めていることだ。日本の工作機械における優位は当分変わらないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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