訪日中国人の多くが、日本は「静かな国だ」と感じるようだ。満員電車のように不特定多数の人がたくさん集まっている場所でも静けさを保っていられるのが不思議なのだろうが、なぜ日本はこんなに静かなのだろう。
中国メディアの新京報は7日、日本の静けさについて分析した中国の大学の准教授の文章を掲載した。

 この准教授はまず、日本を理解するのに「日本の静けさ」を理解するのは欠かせないと紹介。「静」は、日本文化のカギを握る漢字だと伝えている。静けさにもいろいろあるものだが、筆者によると日本の静けさの特徴は「秩序にある」そうだ。各自が自分を律しているので静かなのであって、「ただルールを守っているだけではない」としている。

 それぞれが自分を律すると、なぜ静かな社会になるのだろうか。
記事は、自分の分をわきまえている人は、自分の境界線が分かっていると分析。他人の境界線も意識し尊重するので、その一線を超えることはない。そのため、マナーを守るだけでなく、大声を出して秩序を乱すような行動を控え、自然と節度を守るようになるのだとした。

 中国人准教授の分析は的確ではあるが、境界線は目に見えないもので分かりにくく、親しい人との間に境界線を作りたがらない中国人には理解できないかもしれない。そのためか、中国人の中には日本の静けさを冷たく感じる人も少なくない。

 しかし准教授は、日本の静けさに心が温まり、日本に来ると「もう一人の自分を発見する」と伝えている。
いつでもどこでも賑やかな中国と違うが、「静けさも魅力的」だと感じる自分がいることを日本に来て初めて知るということなのだろう。また、道路を渡ろうとすると車が停まってくれ、バスの運転手も空港のスタッフも、昔なじみの友人に対するように優しく接してくれて、「故郷に帰ってきたような感じがする」と称賛している。中国では、見知らぬ人にはそっけなく、家族や友人には非常に親切にするものだ。いつも静かで秩序ある日本は、中国人にとって時には別世界で、時には故郷のような温もりを与えてくれるようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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