近年、中国では「日本企業の競争力は低下した」との論調が多く見受けられるようになった。特に家電などの分野では中国や韓国メーカーが台頭し、日本メーカーの影は薄くなったのは事実と言える。
しかし、中国メディアの人民網はこのほど、日本企業の多くはイノベーションを通じて競争力を高めていると指摘する記事を掲載した。

 記事はまず、日本企業はバブル崩壊後、どこも経営危機に陥ったと指摘。経済のグローバル化や情報技術革命などの時代の変化のなかで、日本企業は「ガラパゴス化」が進んだと分析した。しかし、これに伴いガラパゴス化の成功例もまた増えてきているという。

 続けて記事は、イノベーションに成功している日本企業に見られる4つの特徴について分析。その1つが「経営モデルの転換」で、例えば家電など付加価値の低い事業は売却し、コアコンピタンスを重視する方向へと転換していると伝えた。2つ目の特徴は「バリューチェーンのなかで川上へと転換している」こと。「独自性」や「必要不可欠性」を戦略目標としており、材料や部品の分野で日本企業が多くのシェアを占めていると指摘した。

 3つ目は「海外の市場開発に重点を移している」こと。グローバル経営が日本企業の重要な目標となっており、対外投資に力を入れていると分析した。4つ目は「利潤の重点を製品からサービスへと転換している」こと。サービスの差別化や体験型サービスの提供により、価格競争を避けることができていると伝えた。


 記事が指摘するように、日本企業は完成品の分野で目立たなくなっただけで、実際には材料や部品などの分野で大きなシェアを占めており、利益をあげている。とはいえ、日本では少子高齢化による人手不足や基礎研究への投資が全体的に減少していることなど、課題も少なくない。継続的な発展を実現するために企業にはさらなる努力が求められると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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