記事は、ソニーが先日、2021年3月期の連結純利益が前年同期比で87%増加し、初めて1兆円を超えるとの予想を発表したことを紹介。
その上で、日本企業が近年実践している「革新」について大まかに4つの特徴を持っていると説明。1つめとして経営モデルの転換を挙げ、閉じた環境からオープンへと、オールラウンダーから核となる競争力の特化重視へという変革を進めているとした。
2つめにはバリューチェーンの上流へと移動し、「唯一で不可欠」な存在となることを戦略目標として「業界の隠れたチャンピオン企業」を目指していることに言及。スマートフォンから飛行機に至るまで、最終製品の製造では日本ブランドの存在感が薄れている一方で、重要な材料や部品の生産において日本企業が大きなシェアを獲得していると伝えた。
また、3つめには市場開発の重点を国内から海外に向け、グローバル経営を重要な目標に据えていること、4つめには利益を生み出すポイントを製品からサービスへと転換し、新たなサービスによるニーズの掘り起こしを進めており、個性化、サブスクリプション、体験型といったサービスによって差別化を図っている点を挙げた。
記事は一方で、日本企業がさらなる発展を遂げる上で多くの課題も存在するとし、日々深刻化する少子高齢化による市場縮小、労働力の供給不足、基礎研究への投資や人材の不足、従来の常識を覆すような大きな革新を目指すチャレンジ精神の不足、短期的な利益や効果を重視することによる「職人気質」の基盤の動揺という4つの点に言及している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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