記事は中国の家電大手・格力電器の董明珠会長がかつて「中国のスマート家電が日本企業を打ち負かした」と語ったと紹介。
そして、日本企業が伝統的な家電産業を手放して中国市場から退いた背景には、経営コストの上昇というある意味やむを得ない理由があると指摘。一方で、国内企業との価格競争を強いられるようになったことについては、日本企業自身にも大きな原因があったとしている。
その上で、1970年代末からの改革開放により日本の家電企業が続々と中国に入り、80~90年代は中国の家電市場をほぼ日本企業が占領していたと解説。日本の家電製品は品質が高く、技術も優れていたことで人気を集めた一方で、一般の労働者は何か月分者給料を貯めないと購入することができないほど高価なぜいたく品だったと伝えた。
また、日本人の「職人気質」が高い品質の製品を生み出す一方で、日本でのやり方をそのまま持ち込むという弊害を生み、中国市場に対する調査研究が十分に行われなかったと紹介。そこそこの品質で廉価な製品を求める中国の民衆のニーズに完全な形で応えられなかったことにより、その後中国ブランドに価格競争で日本企業に立ち向かうチャンスを与えてしまったのだと論じている。
記事は、利益がほとんど出ないような低価格の製品を次々出してくる中国企業との競争の激化に、日本経済の停滞も相まって、日本の家電メーカーは薄利状態に陥ったローエンド家電業務を捨て、より大きな利益を生み出す半導体や精密機器部品などの分野に専念する流れになったのだと伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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