中国では近年、日本製品の品質の高さは「何事もおろそかにしない、日本人の匠の精神があってこそ」という論調を目にするようになったが、中国メディアの快資訊はこのほど、日本では「匠の精神」の育成は「小学生の頃にはもう始まっている」と紹介する記事を掲載した。

 記事は、日本の製造業が「匠の精神の育成」を非常に重視していることを示す事例として、豊田市が行っている「クルマづくり究めるプロジェクト」を紹介している。
豊田市によれば、同プロジェクトは「自動車関連企業のプロの指導のもと、子どもたちがクルマづくりのワザを体験しながら、基礎からクルマの構造について学び、追求し、夢をカタチにしていく事業」だ。

 記事は、このプロジェクトは「子どもたちの年齢が上がるにつれ、体験する内容もレベルアップするシステムとなっている」とし、小学5年生から参加できるコースではまず自動車作りの基礎を体験し、経験を積んだ後に行われるコースでは1台の自動車の組み立てまで行うと紹介。その後も「未来のモビリティを創造し、具現化に挑戦する」ようなコースまであることに驚きを示した。

 また、このプロジェクトは子どもたちに匠の精神を伝えたいと無私の気持ちで願うボランティアたちの支援により成り立っているという点を強調し、ボランティアたちがこうした活動に参加するのは、子どもたちが将来どのような分野の職業に関わることになっても「ここで学んだ匠の精神をきっと活かしてくれる」という希望と願いに動かされているからだと論じた。

 記事は、「人材育成は将来的にどれだけのリターンがあるか把握しにくい、非常に時間のかかる取り組みだ」と指摘したうえで、豊田市で行われているプロジェクトを極めて高く評価。そして日本という科学技術立国は「無私の精神による忍耐強い人材育成」が基礎となっていると主張し、ものづくりに対する純粋な愛がこもった無私の教育の力には愛国主義さえも及ばないと結んでいる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
本当の日本人は「訪日前に抱いていた日本人のイメージ」と全然違うことを知った中国人
日本に対して実行して脱中国をもたらした「レアアース輸出規制」、米国に使えるか?=中国
国が清潔だと「紙幣まで清潔なのか!」 中国人が驚く日本の紙幣=中国
日本の焼き餃子は一種の「イノベーション」である
一体いつになったら・・・全然「レア」じゃない中国産レアアース
編集部おすすめ