「お灸」は2000年以上前に中国で誕生したと言われる。日本には遣唐使や遣隋使によってもたらされ、江戸時代にブームとなったこともあるようだ。
奥の細道には、養生の一環として「足三里」へのお灸が紹介されている。日本で形を変えながら進化してきたお灸について、中国メディアの快資訊はこのほど、日本では中国以上に発展していると紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、日本は「長寿の国」だと紹介。健康で長生きすることに強い興味を持ち、体に良いことはどんどん取り入れ改良させてきたと称賛している。「お灸」の文化もその1つだとして、日本でお灸がどのように広まり発展してきたかを紹介している。

 例えば、日本でお灸を広めた功労者の1人に医師の原志免太郎氏がいる。日本人の7人に1人が結核で亡くなっていた時代に、お灸を研究していた原氏がお灸で結核患者を助けたと紹介している。お灸自体が結核を完治させるわけではないものの、免疫力や抵抗力を上げる効果があるとして、今でもアフリカなどで結核治療の一助とされているようだ。

 また記事は、日本のお灸は中国よりも専門的で、敷居も低くなっていると紹介。かつてはお灸というと熱くて火傷の跡が残るものだったが、いまでは熱くないもの、煙の出ないもの、火を使わないものなどがあって気軽に利用できるようになっている。また日本のお灸専門店は大抵小さいが、非常に清潔で水準が高く、「何でも治るというのは口だけ」の中国の店とは違うと指摘した。

 日本には中国から伝わってきたものが多くあるが、その多くは日本で独自の発展を遂げており、「お灸」もその1つと言えるだろう。
海外では「OKYU」で通じてしまうほどであるため、お灸は日本発祥だと思っている人もいるかもしれない。お灸も中国発祥の他の文化と同様、日本でますます独自の発展を遂げていくことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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