建築ラッシュが続き大量のセメントを使用している中国だが、コンクリートに関する技術において日本から学べることが多くあるようだ。中国メディアの快資訊はこのほど、日本を視察した際に感じたコンクリート技術に見られる「匠の精神」について紹介する記事を掲載した。


 記事は、日本のGRC工業会や関連企業の招待を受けて日本を視察したという中国の建築関係者が観察したことを紹介している。日本の公共建築では主にPC造(コンクリート部材をあらかじめ工場で作成し、現場で組み立てる工法)を採用していることに着目し、「資源の節約や施工の規格化の観点からすると、これは必然の流れと言える」と述べている。

 続けて、日本のコンクリート技術には5つの特徴があると分析した。その1つが「考え抜かれた設計」になっていることだという。PC造で使用される鉄筋やボルト、パーツが極めて正確な位置に配置されているので、組み立ての効率と安全に寄与していると称賛した。

 2つ目は「コンクリートの表面処理の種類が豊富で丁寧」なことだ。例えば、木目調の表面にする際、使用する型枠や組み立て、補修、塗装の仕方によって違った雰囲気の木目調に仕上がると伝えた。3つ目は「厳格な生産管理」で、製造するGRC製品(耐アルカリガラス繊維で補強したセメント製品)について厳格で細かな検査を行い、欠陥部分があれば補修して極めて高い品質を確保していると紹介した。この品質の高さに「匠の精神」がよく表れているという。

 4つ目は「高品質製品であってもハイテクノロジーが使用されているとは限らない」ことだ。特別な技術を使用しているわけではなくても、日本では作業員が真面目に取り組むので監督の必要がなく、質が高いと説明した。最後は「分業して専門化している」ことだ。
設計は設計専門の会社が行い、型枠は型枠専門の会社が高精度の型枠を提供するなど、各企業が得意分野に特化しているので、全体が合わさると非常に高い品質の製品が出来上がると説明した。

 こうして見ると、普段はあまり多くの人が注目しないコンクリート分野でも、日本では匠の精神がいかんなく発揮されていると言え、中国人を感心させているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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