
変化する生活者ニーズの一例としては、巣ごもり需要の高まりで家事の負担が増えていることを背景に、アレンジや手間抜き、日常的な備え、健康(免疫・肥満対策)などを挙げ、「アフターコロナもこうした傾向は定着していく」との見方を示す。この考えの下、アレンジや手間抜きニーズに対して「ボンカレー」をアレンジ・ルー代替として提案していく。
23日に新発売される調理用レトルトカレー「ボンカレークック」は、60分間炒めた国産たまねぎを使用してコクを出した「ボンカレーネオ」のソースのみで構成され、具材をあえて入れていない設計になっている。その狙いは、手作りニーズと簡便ニーズの相反するニーズへの対応にある。
森河洋一執行役員(大塚食品) 「ボンカレークック」では、具材と組み合わせて自分好みのカレーを時短でつくれることを提案していく。フライパンで牛豚肉や冷凍野菜など好みの具材を炒めてから同商品を加えて、2分程度さらに炒めると好みのカレーができるようになっている。「甘口」と「中辛」の2品をラインアップし、それぞれ3袋入りでまとめ買いニーズにも対応している。
そもそもレトルトカレーはアレンジして食べられる傾向にあり、この点にも着目した。同社が行った主婦へのアンケートによると、レトルトカレーを食べる時「毎回もしくは2、3回に1回アレンジを加える」との回答者が6割いることが浮き彫りになった。
この動きについて、伊藤征樹製品部レトルト担当PMは「レトルトカレーは便利なのだが、ひと手間加えて手作りすることで、食べ手の満足だけでなく作り手も満足したいという生活者インサイトがある」と説明する。
加えて、「『野菜をたくさんつかってみよう』といった作る目的・食べる目的に合わせられるパーソナライズ」や「献立を考えるのが大変」といった点もインサイトとみなし商機を見いだす。
発売後は、TVCMや販促施策を展開してアピールしていく。販促施策は、販売台やPOPなど店頭販促用ツールを用意するほか、9月から10月にかけては、雑誌でボンカレーディスプレイコンテストを実施するとともに、ほかの食品メーカーとのコラボメニュー提案を展開していく。SNS施策では、「ボンカレークック」を使ったアレンジレシピコンテストをツイッターで展開していく。
「ボンカレー」以外にも、高まる巣ごもり需要に対しては「シンビーノ ジャワティストレート」をフルリニューアルしてテーブルドリンクとしての提案を強化していく。
高まる健康志向に向けては、「スゴイダイズ」や「ゼロミート」のプラントベース商品を引き続き展開し、お米と混ぜて炊くだけで糖質とカロリーがカットでき、食物繊維も摂取できる米粒状加工食品「マンナンヒカリ」を刷新し、9月から順次発売していく。