専業メーカーだからできる缶コーヒー UCC、サステナビリティ発信「特別な豆の、特別なブラック」
(左から)紙谷雄志マネージャー、里見陵副社長、中平尚己室長
UCC上島珈琲は「特別な豆の、特別なブラック」をコンセプトに掲げる缶コーヒーブランド「ORIGIN BLACK」でUCCグループのコーポレートメッセージ「ひと粒と、世界に、愛を」を訴求する。

「ORIGIN BLACK」第3弾として4日から数量限定で発売開始された「ルワンダ&ブラジル」(275㎖ボトル缶)は、UCCがコーヒーの品質向上を目指し関わってきた産地「ルワンダ フイエマウンテン」と「ブラジル エスピリトサント」の希少性が高い原料をブレンドし、UCC通常品の1.2倍のコーヒー豆を使用したもの。
希望小売価格は税別178円。

4日発表した里見陵取締役副社長マーケティング本部長は、UCCグループ社員が共通して持つべき5つの価値観(バリュー)の筆頭にくる「コーヒーの価値探究」に触れ、「今回の新商品もそうだが、コーヒーの価値そのものをお客様にお届けしたい」と意欲をのぞかせる。

「ORIGIN BLACK」で特に伝えたいのは、産地(ORIGIN)でサステナビリティ活動に関わり調達した原料を使用している点。

中平尚己農事調査室室長は「ブランド訴求の前提として、UCCのパーパスとバリューを前面に押し出して一層PRしていく必要がある。商品だけでは魅力をお伝えしきれない部分があるため、雑誌のタイアップなどメディアのお力をお借りしたい」と語る。

産地の一つ「ルワンダ フイエマウンテン」では2012年にコーヒーが主要産業であるルワンダのフイエ郡ソブ村におけるJICA(国際協力機構)の一村一品運動に参画して以降、10年以上継続して農園開拓から品質向上まで生産支援や農事指導を実施している。


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(左から)紙谷雄志マネージャー、里見陵副社長、中平尚己室長 「土壌改良から始めてシェイドツリーなどコーヒーノキの生育・選定技術を取り入れてもらうための指導や品質向上のための加工技術など他の地域で有望な技術を導入したところ、もともとおいしいコーヒーがさらに磨かれ、通常の生産国の10分の1あった歩留まりが2倍に伸び現地の収入も倍増した」と説明する。

「ブラジル エスピリトサント」でも、現地企業と協力しマシンの提供や技術指導を行っているほか、品質コンテストを開催して品質向上に取り組んでいる。

第3弾の「ルワンダ&ブラジル」は「ルワンダ フイエマウンテン」を51%使用し、2種類の豆の個性を最大限引き出すべく単品焙煎後にブレンドしている。

その味わいについて、紙谷雄志マーケティング本部飲料マーケティング部飲料ブランドカレントチームチームマネージャーは「コーヒーにとって二律背反するコクとキレを香料無添加・レギュラーコーヒーのみで実現しグリーンアップルのようなフルーティーさを感じさせるこれまでのリキャップ缶になかった新しい味わい」と胸を張る。

パッケージは、ルワンダの伝統工芸品の「ルワンダバスケット」を意識したデザインをベースに「千の丘の国」とも呼ばれる爽やかなルワンダをイメージした水色をメーンカラーにしている。

なお「ORIGIN BLACK」は昨年5月に第1弾の「ブルーマウンテン&モカ」、11月に第2弾の「ブルーマウンテン&キリマンジァロ」をそれぞれ数量限定発売。
これら2品の販売の手応えについては「深く狭くというような間口をとらえ、ご好評をいただいている」(中平尚己農事調査室室長)。