
貯蔵施設は1つの倉庫としては北海道最大規模の最大1万トンの貯蔵能力を持つ。
貯蔵施設ができるまで、収穫されたじゃがいもは、農協の貯蔵庫などに他の作物とともに貯蔵され、それらに入り切れない分は工場に直送されていた。
9月5日、「じゃがいも収穫式」に臨んだ田崎一也社長は「貯蔵庫がないと作っても流通が難しい。今回、物凄く大きな貯蔵施設ができたことで、安心してじゃがいもを作ろうという方が増えている状況」と語る。
「糠内(ぬかない)加工用馬鈴しょ集出荷貯蔵施設」外観 倉庫内には、じゃがいもをコンテナに入れて貯蔵するコンテナ貯蔵庫が10室ある。1室あたりの貯蔵能力は最大1000トン。10室のうち5室には温暖化対策として冷蔵設備を導入している。
冷蔵設備の導入については「北海道は夏場、夜になると気温が20℃以下に下がるのだが、昨年は下がらなかった。貯蔵に最適な温度は10℃台だが、これが今後難しくなってくるということで冷凍機(冷蔵設備)を導入した。せっかくいただいたじゃがいもをいい品質でお届けしようとすると温暖化対策への投資は欠かせない」と説明する。

「高温だとじゃがいもが呼吸しにくくなり、澱粉から糖への変化が激しくなる。
貯蔵施設には機械と人による選別システムを導入して生産者の負担軽減に貢献。
貯蔵施設では、畑で収穫したじゃがいもを生産者が選別してコンテナに入れた状態での入荷に加えて、収穫したじゃがいもをトラックの荷台にバラ積みした状態での入荷にも対応し、後者が生産者の省力化につながっている。

選別システムはバラでの入荷に対応。1日300トン程度の処理能力を持ち、間に25トンの収納能力を持つホッパーを導入したことでトラックのピストン輸送にを可能にしている。
自動的に土塊や根などが取り除かれ、小玉じゃがいもと製品用じゃがいもを分別される。なお、小玉じゃがいもは澱粉やコロッケ用などに活用される。
杉浦大斗(ひろと)幕別支所支所長は「最後は人の目で確認している。受け入れピークは9月中旬。
貯蔵施設には来年の分まで貯蔵し、ここから各務原(かがみはら)工場(岐阜県)と湖南工場(滋賀県)に運ばれ主に「カルビーポテトチップス」や「じゃがりこ」の原料に使用される。
